ごあいさつ

代表取締役社長 小山 昇
代表取締役社長 小山 昇

エンネット(EnNet)は、元国立大学教授が代表を務める企業であり、研究員も主に研究室所属の旧メンバーで構成されており、これまで培った、産学官の諸機関との共同研究、委託研究、学会交流活動が継続されています。

特に、大きな広がりを見せているリチウムイオン二次電池(LIB)の構成材料の評価・開発はもちろんのこと、電池の健康状態(SOH)の把握や安全性の確保のための新しい診断装置の開発・製品化を行っています。新規に開発した高速パルスや交流インピーダンスの測定法により、単電池やそのモジュール特性の委託評価、データベース化、諸特性の3次元表示のサービスなどを提供しています。大中小容量の汎用電池では例外なく、その電気化学特性をエンネットが推奨する擬似等価回路と結びつけて評価・理解できることが判明しています。

観測された交流インピーダンス特性は、直流の高速パルス応答からも同じ精度で取得できることが分かったことから、計測時間が数秒で済む単一パルスを用いたLIB診断方法を考案することができました。ここでは、秒単位の単一パルス電流をセルに印加し、マイクロ(μ)秒からの正規化抵抗関数の観察過渡応答から、電池内部の電解質、正極、負極のキャパシタと抵抗因子の変化を計測し、セル劣化状態・SOHとこれらの応答とを機械学習法で紐づけして診断します。パルス過渡応答特性は、広い周波数帯のインピーダンス特性への変換も可能です。SOH推定は、精度5%で1秒以内で行うことができ、1回の全測定は10秒で済みます。また、充電時のLi析出の有無評価も本製品で可能になっています。

これらの機能を持ったソフトウェアを作成し、それを搭載した単セルおよびモジュール(高電圧対応)用の高速パルス装置の販売を始めました。出荷・受入れ時の電池の検査、使用中電池の劣化度や寿命の推定、電池リユースの判定などで、本製品の有効性が発揮できます。

50年以上の国内外での研究活動で培った電気化学に関する深い見識を用いて、各種電気化学デバイス開発に関する研究・技術支援のコンサルティングも行っています。

こうした活動を通じて、電気自動車や定置型蓄電池が広く普及した低炭素化社会の実現に弊社は貢献します。

エンネット(株)の固有の強み

  1. 電池、および電気化学に関する高度な専門の基礎知識・知見を有しています。
  2. 電池の卓越した評価・解析技術およびその設備を有しています。
    大中小容量の市販二次電池の各種特性を、自前で作製した電気化学装置(下図)や計測システムも駆使して、詳細な解析評価できる科学、技術、設備、能力、さらには人材を備えています。
新製品の高速パルスアナライザーで車載モジュール特性を計測中です
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